ZAC2107年、東方大陸より帰還したヘリック共和国軍は、中央大陸のほとんどを支配するネオゼネバス帝国に対して 一大反抗戦を開始した。各地で両軍による激しい戦闘が繰り広げられるそんな中、とある帝国軍基地が共和国軍の奇襲を受けた。 その部隊は数十機のアイアンコング、ジェノザウラーを擁するその基地に対し、わずか10機程度の小隊で挑んできた。 少数精鋭の奇襲だとしても、あまりに無謀な戦いに見えた。だが・・・

「馬鹿なっ!?」
アイアンコングのパイロットが悲鳴に近い叫びをあげた。直撃すればゴジュラスでも踏みとどまることは難しい ミサイルの爆発を、シールドを展開しているとは言え、その黒いブレードライガーは真正面から突き破って突進してきたのだ。
「化け物めっ!」
コングの長い腕が飛び掛ってくるライガーを襲う。ガンッと鈍い音が響き、ライガーの体が宙を舞った。 手応えあり。コングのパイロットがそう思った瞬間、ブレードライガーは何事も無かったかのように 着地、同時に目にもとまらぬ速さで跳躍し、コングの喉元に喰らいついた。コングのパイロットが最期に見たのは、 視界一杯に広がるブレードライガーの口腔だった。コングの一撃は、確かにブレードライガーの体を直撃し、その装甲を 砕いていた。だが、この機体に搭載されたオーガノイドシステムは、瞬く間にそのダメージを修復していたのだ。
 コングを葬ったブレードライガーのコクピットでは、年輩のパイロットが機体を労うようにコンソールを軽く叩いていた。 眼前には仲間を倒され、怒りに燃える無数の帝国ゾイド。だが、その男はまったく恐れるでもなく、しかし油断するでもなく、 敵の姿を睨みつつ、愛機に語りかける。彼の愛機は気難しい。気に入らないことがあればすぐに暴走してしまう、危うい気性の持ち主だ。
「少し長い戦闘になるかもしれんが、最後まで癇癪は起こさんでくれよ。数年分の鬱憤は全部奴等にぶつけてやれ。さあ、行こう! Take It Easy!」
乗り手の声に応えるように咆哮をあげた黒いライガーは、大地をえぐるほどの勢いで蹴って、勇ましく走り出した。

 彼らの名は第131特務遊撃小隊。オーガノイドシステム搭載の改造機と、各隊から選り抜かれた一流パイロットのみで構成されたこの部隊は、共和国再興を目指し今日も戦いつづける。

後書
 手持ちのゾイドにストーリーをつけてみました第2弾。前の話とは数年離れてますね。ここに登場するブレードライガーは GTO並の気性難と引き換えに、通常のブレードライガーを大きく上回る力を持っているという設定です。今回の話は去年暮れあたりから 構想中の企画の叩き台として描いてます。
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